私たちの藍染(3)


前回の”私たちの藍染(1)”、
私たちの藍染(2)”に続いて、今日はその続き、すくもづくり同様に藍染には欠かせないものに灰があります。染料の「すくも」に灰を溶いた 灰汁(あく)を加え、発酵させて染液を作るのです。

 

仕込み藍の仕込みは重労働

仕込みのために、まず灰汁を作ります。
灰汁は良質な灰を手に入れ(私たちは薪ストーブや、石窯ピザのお店などで分けてもらいます。できるだけ金木の灰)そこにお湯を入れます。その上澄み液が灰汁になります。

同じ灰から5番灰汁までとって、仕込みには1から3番灰汁くらいを使います。温めた灰汁で完成して1年経ったすくもを練り、甕に入れます。そこに45度ほどに温めた灰汁を入れ、甕の中の温度は42度ほどをキープ(温度がとても大事です)。

PHを気にしながら、低くなったら貝灰を入れて、すくもの塊をなくすために混ぜていきます。甕の半分かそれより少し少ないくらいで蓋を閉め、その後、3時間おきに攪拌をして、発酵を促していきます。(すくもづくりでも発酵しているので、日本の藍染には2回の発酵段階があります)藍液の表面がギラッとして泡が出てきたら無事に藍が建った証拠。その状況が見られたら、大いに喜びます!



 

藍には愛を...

表面の膜に厚みができて、濃い紫色になってきたら青色が出てきたということで一安心。ふすまで作ったおかゆを栄養として与え、灰汁上げをしていきます。

うまくいけば1日で立ち上がりますが、うまくいかないといつまでもシーンとしたまま発酵が進まないので、毎日毎日気にしてあげてできることをやっていきます。

藍を仕込むと、まるで子供が増えたかのような気持ちになります。でも、子供は泣いて意思表示をしますが、藍は泣いてはくれないので、藍の表情を読み取って、できることをやっていく、という難しい子育ての始まりです。藍は愛がないとうまくいかないとは、よく言ったものです。

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