私たちの藍染(2)
前回の”私たちの藍染(1)”に続いて、今日はその続き、藍染には欠かせない、すくもづくりについて書きたいと思います。
すくもとは、藍染をするための材料となる最も大事なものです。すくもづくりは収穫が終わった10月くらいからスタートします(次の春先からのスタートでも大丈夫)。
すくもづくりの工程
収穫した葉っぱ(できれば100キロくらい)を山のように積み上げます。そしてそこに水を打って、切り返す作業をしていきます。
自分の背の半分くらいの山の葉っぱなので、切り返すのは大変なこと。体全体が藍の葉っぱの香りになりながら、必死になって切り返します。切り返しの作業の1ヶ月目は、葉っぱの山に手を突っ込むとほかほかどころかアツアツで、植物のエネルギーってこんなにもものすごいものだといつも驚きます。
少しずつ、藍の葉っぱ自体のエネルギーで発酵が進み、温度が上がってきて60度くらいになります。その温度をキープするために葉っぱの山にむしろをかけて、時には毛布をかけるなどして、発酵を止めないように手をかけます。風邪を引かせないように温めてあげると言いますが、藍には本当に愛が必要なんだと思います。
カリカリだった藍の葉っぱの山がだんだんとしぼんできて、堆肥化していくように土みたいになっていきます。こうして100日ほどかけて、様子を見ながら、水を打って切り返していくと、すくもが完成します。
切り返す作業ごとに体は藍の発酵臭にまみれていきますが、少しずつ質量が減っていくので楽にはなっていきます。重量は変わらないどころか増えていくように感じますが、、、
1年かけて発酵させる
完成したすくもは仕込みはじめた頃と全く異なる姿になっているので、不思議です。
完成したら冬の間はそのまま置いておき、雪が溶けたら、お天気のいい日に天日干し。むしろの袋に保管してさらに1年は寝かせて、完全に水分を飛ばします。つまり、甕に仕込むことができるのは、1年後のこと。
葉っぱを栽培して、それをすくもにして、1年寝かせるので、藍染のために仕込むことができるのは、栽培年から2年後。摘んだらその場で煮出して染められる草木染めとは、全く違う染め方なのです。
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