















この講座は、たつけの作り方を覚えるためのものではありません。
なぜこの形なのか。
なぜこの工程が必要なのか。
暮らしの中で生まれ、受け継がれてきた衣服を、
構造や背景ごと理解し、それを、自分の中で咀嚼し、
言葉にして人に手渡すための講座です。
自分自身が納得していることを、
ていねいに、誠実に伝えたい。
そんな思いを持つ方のための
たつけワークショップ講師認定講座です。

この講座は、次のような思いを持つ方に向いています。
- たつけを一度以上作り、
「作れるようになった」その先を知りたいと感じている方 - なぜこの形なのか、なぜこの工程なのかを、
自分なりに理解し、言葉にしたい方 - ワークショップを開くなら、
手順だけでなく背景や考え方も含めて伝えたい方 - 参加者からの質問に、
経験だけでなく理由をもって答えられるようになりたい方 - 自分自身が納得していることを、
ていねいに、誠実に人へ手渡したいと考えている方

この講座で大切にしていること
この講座では、技術や手順を教えること以上に、「どのような姿勢で、何を伝えるか」を大切にしています。
1.形の奥にある理由を理解すること
たつけの形や工程には、その土地の暮らしや、長い時間の中で培われてきた知恵が込められています。この講座では、「こうするとできます」で終わらせるのではなく、なぜこの形なのか、なぜこの工程なのかを一緒に考えていきます。理由を理解することで、たつけは単なる作業ではなく、語ることのできる衣服になります。

2.自分の言葉で説明できること
認定講師になるために必要なのは、決められた説明文を覚えることではありません。自分自身が理解し、納得したことを、自分の言葉で、相手に合わせて伝えられること。そのために、講座では作ることと同時に、考え、言葉にする時間を大切にしています。
3.誠実に伝えること
ワークショップは、人と人とが向き合い、時間を共有する場です。この講座では、正確さと同時に、誠実さをもって伝えることを大切にしています。わからないことを曖昧にせず、立ち止まって考え、必要であれば「わからない」と言えること。そうした姿勢こそが、学びの場への信頼につながると考えています。
この講座で学ぶこと
この講座では、たつけを「作れるようになる」ことを前提に、その先にある理解と伝達の力を育てていきます。
- たつけの構造を、工程としてではなく「意味のある形」として捉えること
- なぜこの寸法なのか、なぜこの縫い方なのかを説明できるようになること
- 手縫い・ミシンそれぞれの特徴と、教える際の伝え方の違い
- ワークショップでよく出る質問への向き合い方、考え方
- 参加者の理解度に合わせて、言葉を選び直す視点
作りながら考え、考えたことを言葉にする。この行き来を大切にすることで、たつけを「教えられる知識」として、自分の中に落とし込んでいきます。加えて、たつけが生まれた石徹白という地域についても知っていただきたいと考えています。

講師認定までの流れ
講座は、段階を踏みながら進んでいきます。
一度で完成させるのではなく、時間をかけて理解を深めていく構成です。
-
講座受講
たつけの構造や背景、教える視点について学びます。また、たつけが生まれた石徹白地域についても知っていただけるような内容です。実際に手を動かしながら、考える時間を重ねていきます。 -
課題制作
学んだ内容をもとに、課題に取り組みます。3本のたつけを制作いただきます。
自分なりの理解を形にし、提出していただきます。 -
認定
お送りいただいた課題を通して、
たつけを理解し、伝える準備が整ったと判断された方を
「たつけワークショップ認定講師」として認定します。 -
他の服の認定たつけ以外の服の認定は「たつけワークショップ認定講師」になった方のみ取得が可能です。詳しい取得方法については講座内でお知らせします。
認定はゴールではなく、たつけを伝えていくためのスタート地点です。仲間として共に動き出しましょう。
たつけ認定講師になった方は、以下にご参加いただけます。
- 認定講師ギャザリング:年に1度石徹白に集まり、講座開催などに関する相談会や石徹白を季節ごとに楽しむ企画をご用意しています。
- 産地勉強会:ものづくりをする人として糸や布について学ぶ機会を設けています。普段は行けない工場見学など学びの場となっています。
- LINEグループ:たつけづくりの相談をお互いにできる場にご参加いただきます。
- ワークショップの告知協力:石徹白洋品店の様々な情報発信の中で、認定講師が開催する WSの告知のご協力をいたします。
これまでの受講者の声
実際に講座を受けた方からは、次のような声が寄せられています。
-
認定講師の志を持った方々が集まっており、たつけを学ぶという一体感の中参加でき、とっても有意義な時間でした。切磋琢磨できる仲間ができたことは、たつけを広めていくうえで、大きな存在になりました。
-
一度のワークショップでは分からなかった部分があり、今回認定講座に参加出来て、丁寧に説明してくださるので、理解する事が出来ました。たつけ作り、奥が深いですね。どんどん作りたくなります。益々好きになります。
-
石徹白の雪深い時期でしたが、景色に癒され、一緒に参加された方々も気さくで、楽しくおしゃべりしながらたつけ作りが出来ました。
-
作り方・教え方の技術的なことを学べたのはもちろんですが、滞在中のみなさんのおもてなしや、石徹白のことを見て知れたこと、一緒に参加させてもらった皆さんとの出会い、全てが本当に良い時間でした。
技術だけでなく、考え方や姿勢が変わった、仲間ができた、という声が多いのも、この講座の特徴です。
日程
- 2026年2月14日(土)〜16日(月)【募集中】
- 2026年3月14日(土)〜16日(月)【募集中】
参加にあたっての詳細情報
◾️スケジュール
*公共交通機関で参加できる時間設定です。自家用車でも大変ですが、冬場は道が悪いので、四輪駆動・スタッドレス(あるいはタイヤチェーン)が必要です。
〈1日目〉
13:30 開始(ご挨拶、自己紹介)
14:00 石徹白の歴史・石徹白洋品店のご紹介
15:00 採寸・布の裁断/ロックミシンがけ
18:00 宿にチェックイン&夕食交流会
〈2日目〉
9:00 神社参拝、古いもの資料館見学
10:00 縫製開始
12:00 ランチ、お店見学、古い服の説明
13:00 縫製再開
17:00 終了
18:00 夕食
〈3日目〉
9:00 ワークショップのポイントや課題についての説明など
12:00 ランチとシェアの時間
13:00 終了(バスは13:21出発)
- スケジュールは天候などにより変更になることもございます
- 夜は基本的に自由時間です。 おすすめの過ごし方として、近場にある温泉(満天の湯)に行ったり、天体観測もおすすめです
■持ち物
裁縫切り道具(裁ちバサミ、糸バサミ、メジャー、チャコペン、ミシン糸(布に合う木綿糸50番 or シャッペスパン60番)、マチ針(20本)、針山)、ゴム通し、生地(ない場合は生地を4,900円でお分します)、お泊りセット(タオル、パジャマなど。宿泊施設によって異なりますので、事前にご案内します)。
- ミシン(JUKIの直線縫いミシン、ロックミシン)と定規(50-60cm)はこちらで準備いたします。
- ロックミシン糸は、白・ベージュ・紺・黒はこちらでご用意しております。
- ウエストゴム(1.5cm幅/2cm幅)、ウエスト紐(1cm幅)はこちらでお分けできます。
- お分けする生地は以下のサイトにご紹介しております。 生地をご購入の場合は糸もこちらでご準備します。生成り生地
■参加費
52,000円(ランチ代込み。別途、宿泊費1万円前後/1泊(朝夕食付)がかかります。お申し込み後のメールにてご案内します)
-
宿泊はこちらで調整いたします。集落内で営業している宿が少なくなり、日がある程度、近くなってからしか調整できないため、宿泊金額については別途ご連絡します。
-
後泊される方はご相談ください。
-
相部屋など宿のことについて事前アンケートでご希望を伺いますが、他の参加者の方との調整でご希望通りにならないこともありますのでご了承ください。
■会場&アクセス
石徹白洋品店
岐阜県郡上市白鳥町石徹白65-18
tel : 0575-86-3808
- 交通手段は自家用車か公共交通機関でお願いします。
- 自家用車で来られる場合は、冬場(12月〜3月頃)は4輪駆動、スタッドレスが必要です。 雪道に慣れていない方は公共交通機関をご利用ください。道路状況についてご不安な方はお問い合わせください。
公共交通でお越しの場合
-
往路(朝発)
名古屋 ⇒ ( JR )⇒ 美濃太田9:56 ⇒ (長良川鉄道)⇒ 11:53 美濃白鳥12:20 ⇒ (石徹白デマンドバス 白鳥交通)⇒ 下在所(しもざいしょ)13 :00
-
復路(昼発) 西在所13:19 ⇒(石徹白デマンドバス)⇒ 14:00美濃白鳥14:18
⇒ (長良川鉄道)⇒ 16:37美濃太田17:00 ⇒(JR)⇒ 名古屋17: 58
お車でお越しの場合
-
東京・名古屋・大阪方面からお越しの方へ
名神高速道・一宮JCTより、約1時間30分(東海北陸道・白鳥ICで高速を降りてください) -
富山・高山方面からお越しの方へ
東海北陸道・高鷲ICより、約30分。
■キャンセルポリシー
お申込後~開催日1週間前までのキャンセル :5%
開催日6日前~3日前までのキャンセル:50%
それ以降のキャンセル:全額
■留意事項
-
冬場は気温がマイナスとなることもございます。防寒具をお持ちください(梅雨時期や秋口も冷えることがありますので、上着などをお持ちください)
-
冬場は雪道です。スノーや冬長く使える靴などでおいでください
-
周りにはコンビニやスーパーはありません。2泊3日で必要なもの、おやつなど(こちらでもお出ししますが)はご持参ください
申し込み前の注意事項
この講座は、理解を深めながら進めていく講座です。
安心してご参加いただくために、あらかじめご確認ください。
- この講座は、たつけを一度以上作ったことのある方を対象としています。
初めてたつけを作る方向けの内容ではありません。 - 認定を目的としていますが、
短期間で資格のみを取得するための講座ではありません。 - 講座内では、作業とあわせて
考える時間や、言葉にする時間を大切にしています。 - 課題提出を含む講座のため、
ご自身のペースで取り組む時間を確保できる方に向いています。 - 内容の性質上、講座開始後のキャンセル・返金はお受けできません。
どうかご理解のうえ、お申し込みください。
ご不安な点がある場合は、
お申し込み前にお気軽にお問い合わせください。
納得したうえで参加していただくことを、何より大切にしています。
よくある質問(Q&A)
Q1.たつけを作ったことがあれば、どの程度の経験が必要ですか?
一度以上、たつけを通して完成させた経験があればご参加いただけます。
上手・下手よりも、「なぜそうなるのかを知りたい」という気持ちを大切にしています。
Q2.ミシンと手縫い、どちらで教えることになりますか?
講座では、ミシン・手縫いの両方を扱います。
ワークショップでは、参加者や環境に応じて選べるよう、それぞれの特徴や伝え方についてもお伝えします。
Q3.講師経験がなくても参加できますか?
はい、可能です。
この講座は、すでに教える経験がある方向けというよりも、「これから教えていきたい」と考えている方に向けた内容です。
Q4.認定後は、必ずワークショップを開かなければなりませんか?
いいえ、必ずしも開催する必要はありません。
学びを自分の中で深めることを目的に参加される方もいらっしゃいます。
ご自身のタイミングや形で、活かしていただければ大丈夫です。
Q5.認定後のフォローはありますか?
認定後も、必要に応じてご相談いただけます。
実際にワークショップを行う中で生まれる疑問や悩みについても、一緒に考えていけたらと思っています。
Q6.課題が不安です。きちんとできるか心配です。
課題は、完成度の高さだけを評価するものではありません。
どのように考え、理解しようとしたかを大切にしています。
わからないことがあれば、遠慮なくご相談ください。
オプションを選択
















失われつつあった
日本古来の服の知恵と心を学び
次の世代へつなげたい
縄文から続く山間集落・石徹白(いとしろ)で、
地域に伝わる衣服を復刻、リデザインしています
「直線裁断」布に無駄のない形
「藍染・草木染」この土地で育つ植物で染めています