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気がつけば9月・・・

気がつけば9月・・・

藍染のメインシーズンが過ぎ去ろうとしています。

藍の二番刈りも終わり、あとは種とりを待つのみとなりました。

 

集落の中の栗が、早いところでは落ち始め、そろそろ栗染めのことを考えたり、花が咲くごとに摘み続けてきたマリーゴールドが冷凍庫いっぱいになってきたので、どのくらい何を染められそうか、ワクワクしているところです。

 

石徹白は季節の変化がはっきりしています。

 

夏はしっかり暑くて、冷たい川の水でも気持ちよく泳げるし、秋の訪れは赤とんぼが知らせてくれて、すみ渡る青空に感動さえ覚えます。

 

冬には2メートル以上の積雪に辺りは一面銀世界。マイナス10度を超える朝には、この世のものとは思えない樹氷の美しさに心ときめきます。

 

ようやく訪れる新しい季節は、凍える長い冬を超えた者にしかわからない、待望の春であり、色とりどりの花を愛でる心が自ずと生まれます。全ての作業が始まる多忙な時季であっても、それまで動けなかった時間を取り戻すかのように、セカセカと毎日を外で過ごしています。

 

この変化していく季節に置いていかれないように、くるくるとよく動くのが石徹白の人の気質 と思えるほど、冬以外は本当によく働かれる人が多いです。

 

冬はともかく、それ以外の季節にボーッとしていられることなどない、と言えるほど常に何か手を動かしている様子に、いつも頭が上がらない思いです。

 

私自身も、春の藍の仕込み、種まきから始まり、藍染、畑の整備、藍の刈り取りがあり、秋からのすくもの仕込み・・・雪で外が白くなるまではなんだかとても気忙しくて、冬の訪れにホッとするほど。

 

9月という季節は夏が終わり、秋冬にかけてのはざまで、新しくやってくる季節に心浮かれながら(秋は実りの季節!)、こうして一年全体を振り返る余裕が少し生まれるのです。

 

「お忙しいですね」と藍染を畑からやっている私にお声がけ頂きますが、まさに毎日”生きている”感覚があって、子供たちのように、昼間は目一杯動き、夜は深く眠るサイクルが心地よいです。

 

こうして働けることに感謝していますし、自然の恵みをいただて仕事を創るということは並大抵のことではないですが、常に学びの連続なので飽きることのない日々がきっとずっと続くんだろうな、なんて思っています。

 

さて、石徹白の実店舗の営業は今年は残り2ヶ月となりました。

10周年だった今年、いろんなことがあって、あまりきちんと振り返る時間も取れていませんが(いつも”今”を生きている・・・)、そろそろ自分の中でもこれまでのことを省みることと、これからのことを考える余白を作っていきたいと思います。

 

長くなってしまいましたが、こんな取り止めもない記事を読んでくださり、ありがとうございました!