2021年 3月 17日
草木染めの服のお手入れ方法
石徹白洋品店では周りの植物を使った草木染めをしています。
ピンク、イエロー、カーキ・・・などと、一言で表せないようなニュアンスカラーがたくさん生まれます。
同じ植物でも染める時期によって出てくる色が異なることや、同じ時に染めても、染め方ひとつで、違う色が現れます。例えば、杉は花粉を持った5月までに染めると、オレンジ味がかかりますが、それ以外の季節は、レモンイエローのような鮮やかさを生み出します。
びわの葉っぱは、寒の時期の葉っぱだと、より深みのあるピンクがみられますし、桜は花が咲く前の折れた枝で、桜の花のようなピンクベージュが立ち現れます。そんな一期一会の草木の色を、長くお楽しみいただけるように、草木染めの服のお手入れ方法をご紹介いたします。
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<お洗濯方法>
中性洗剤を使って、手洗いか、洗濯機の場合はネットに入れて弱流水で洗ってください。(*アルカリの強い洗剤を使うと変色する可能性がありますので避けてください。また、漂白剤入りの合成洗剤も退色の原因となります。)
その時に、服を裏返しておくと、色落ちが緩やかです。
直射日光の当らない日陰で干し、乾いたら、暗いところで保管してください。
<アイロン方法>
裏返した状態で当て布をして低温で当ててください。
<保管方法>
暗所で保管してください。一部だけ日が当たっていると、日焼けの原因になります。
<使用に関しての注意事項>
染材(染め方法)によっては、レモンやゆずなどの酸の強い柑橘類の汁が飛ぶと、そこだけ色が抜けることがあります。そのような場合は、すぐに部分洗いしてください。
漂白剤が飛ぶと、その部分だけ色が抜けることがあります。
*部分的に色が抜けてしまった場合、染め重ねても、シミのようになる可能性が高いです。
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草木の色は優しく、いつまでも同じ色で止まることは難しいことが多いです。ただ、色が「はげる」よりも、何層にもある植物の奥深い色が、異なる形で「出てくる」ように思え、私たちは、その色の変化も楽しんでいます。
草木染めの服は、着る方によって、扱い方によって、経年変化が異なりますので、「育てる服」としてご愛用いただけたら幸いです。