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新たな媒染実験


草木染めは、植物から色素を煮出し、染料として繊維に染めていくものですが、そのままでは繊維に上手く染まり着かず、繊維と色素を結びつける役割をする「媒染」という工程が必要となります。
本日は、そんな媒染のお話しです。
媒染に使用する媒染剤は、通常繊維と色素を結びつける役割をする、金属系の物質です。染料によって違いますが、傾向としては、アルミ媒染は明るい色、鉄媒染は暗い色になります。また媒染することで、繊維に染めた色素の「色止め効果」や、化学反応による「発色効果」があります。
例えば、黒豆を煮るときに、古釘(鉄分)を入れるとキレイな黒色になるのと同じことです。
媒染液は染料屋さんで手軽に購入できるものもありますが、当店ではIKTTカンボジア式でいつもDIYしています。お手本としているIKTTの鉄媒染は、鉄屑にパームシュガーと生のライム、そこにお水を入れて素焼きの壺で発酵させるという仕込み方ですが、私たちは石徹白の気候、染め方に合った鉄媒染の方法を模索するべく、いろんな方法で試しています。
以下は、現存の鉄媒染2種:

・鉄屑に黒糖とお酢、お水をいれて加熱するタイプ
・鉄屑に黒糖とお酢、米の研ぎ汁(米糠で試した時も)を入れて発酵させるタイプ


今回は鉄屑をお酢で煮て原液を作ってみる、というものをトライしていて、こちらはまだ実験途中です。今回新しく試している方法は、以前のものと違い発酵の工程を入れずに、簡単に手に入る材料で作っています。それによって色味や色の持ちがどのくらい変わってくるのか、また来月試すのがとても楽しみです。
ちなみに写真は既にある媒染液で鉄媒染をしました。ヒメジオンが優しい黄色なので、鉄媒染後に柔らかなカーキ色になるかなと予想していましたが、思いの外、今回は大人なベージュ色になりました。これからこの布がどんな服になるのかとても楽しみです。

また新たに媒染液ができた際には、どんな風に染め上がったかなどまた皆さんにシェアできたらいいなと思ってます。
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[ワンピース]Vネックワンピース/コットン/イエロー(ヒメジオン)