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【6月14日発売】暮しの手帖別冊「おしゃれと暮らし」に、石徹白洋品店の特集記事が掲載されました。

 暮しの手帖別冊「おしゃれと暮らし」が、昨日・6月14日に発売されました。「石徹白のはかまパンツの作り方」という特集で、8ページにわたって、石徹白洋品店のこと・はかまの作り方が紹介されています。

 「暮しの手帖」の創刊号(1948年)の特集は、「型紙なしで作れる 直線裁ちのデザイン」だったそうですが、実に創刊号以来の、直線裁ちの服の作り方が掲載されることになります。

 私は、「暮しの手帖」を創刊した花森氏の言葉を読んで、感銘を受けました。まさに、石徹白洋品店が作っている服とは、私がおばあちゃんたちから学んだ服とは、こういうことだと思うのです。


「おしゃれ、といえば何か、
さしせまった毎日の暮しとは係りのない、浮いた遊びごととか、
ひまがあってお金があって、というひとたちでなければ出来ないこと
のように考えらえれてはいないでしょうか。
そんな風なおしゃれも、
たしかにこの世の中にはあるかも知れない。
けれども、そんな、
お金さえかければ美しくなれるとか、
ひまがないから、おしゃれが出来ないとか、
毎日の暮しから浮き上ってしまった遊びごとなら、
私たちは、おしゃれのことなど考えることは要らないと思います。
ほんとのおしゃれとは、そんなものではなかった筈です。
まじめに自分の暮しを考えてみるひとなら、
誰だって、もう少し愉しく、もう少し美しく
暮したいと思うに違いありません。
より良いもの、より美しいものを求めるための切ないほどの工夫、
それを私たちは、正しい意味の、おしゃれだと言いたいのです。
これこそ、私たちの明日の世界を作る力だと言いたいのです。
花森安治
『スタイルブック』1946 夏 巻頭言


 石徹白では、甲斐性よく働けるように裾の細い「たつけ」をシュッとはいて、おしゃれな絣模様のハッピを来て、ピンクや緑の明るい襷をかけて田植えや山仕事に出かけたそうです。時には帯に、コンパクトを入れて、化粧直しをしながら働いたと聞きます。食べることに必死だった時代においても、いかに美しく身綺麗にして、日々を愉しく過ごすかということを常に考えていたのでしょう。

 花森氏の言う「より美しいものを求めるための切ないほどの工夫」として手元にある布でいかにカッコよく、効率よく作れるかを考え尽くして創造された「たつけ」や「はかま」を、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思います。

 それが、先人からいただいた豊かに生きるための知恵というギフトだと思うのです。

石徹白洋品店 店主  平野 馨生里


 石徹白洋品店では、6月25日・26日、
東京・谷中にて展示会 及び
暮しの手帖別冊刊行記念トークイベント
を開催します。

詳細は下記リンク先をご覧ください。