私たちの染めの色
石徹白洋品店は、背景の見えるものづくりを目指しています。
できる限り地域の植物を使って、草木染や藍染を行っており、自然の恩恵に感謝しながら、1枚1枚の布を手作業で丁寧に大事に染めています。
草木染 藍染
草木染




季節それぞれに手に入る植物をふんだんに使って、丁寧にゆっくりと、布を染めています。 使う植物は、できる限り石徹白で育った身近なものを私たちの手で採取しています。
草木染は同じ植物でも、植物そのものの状態や染め方で毎年色が微妙に変わります。また、媒染によってもさまざまな表情を見せてくれます。
季節の移り変わりを肌で感じ、自然の恵みに感謝しながら、植物の色を布に映しとっていく染めの仕事は、とても豊かな時間です。
季節の草木の色
3月〜4月 桜
雪の重みで折れた桜の枝を使って染めています。花の色のような、優しい桜色に染め上がります。
5月 杉
緑の葉っぱからどうしてこのような色が出るのか、いつも不思議です。時期によってオレンジがかったイエロー、薄いイエローになります。
6月 ヒメジオン
花芽をつけた頃から花が咲くまで。優しいベージュから、深みのある黄色にも染まります。
7月 アカソ
花芽がついた頃から花の時期に。ピンクベージュから赤身の強いピンクまでのグラデーションを楽しめます。
8月 くるみ
葉っぱを集めてベージュ・茶色、鉄をかけると深みのある茶が現れます。
9月 マリーゴールド
除虫菊として育て、花が咲いたら花を摘み、それを集めてゴールドイエローを染めます。鉄をかけてカーキも。
10月 栗
栗のイガで薄茶色を、鉄をかけて上品なグレーを出します。
11月 ビワ
葉っぱをいただいて、サーモンピンク、季節によってはオレンジピンクも。
藍染





5月から9月まで、4つの藍甕を使って灰汁発酵建てで自然のものだけを材料とした藍染を行っています。この時期は1日もかかさず建てた藍をかき混ぜ、時には栄養を与えて色が出るように活性化させ、まるで子どものように手をかけます。そうすると藍も草木染と同じように、季節や時間の違い、手のかけ方で、その時にしかできない色合いを見せてくれます。
畑で育つ緑の葉っぱから、最後には藍色が出でるとは、何年経ってもその不思議さと深い色に魅了されています。
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